WORK RULES! (ワーク・ルールズ) を読んだ感想
今週、ちまちまと「WORK RULES! (ワーク・ルールズ)」 を読んだ。
- 作者: ラズロ・ボック,鬼澤 忍,矢羽野 薫
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2015/07/31
- メディア: 単行本
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Googleの人事トップのラズロ・ボックという方が、Googleでの採用・育成・評価について語っている。
Laszlo Bock - Wikipedia
500ページを超えるボリュームでGoogleの人事の仕組みについて細部まで記述してあり、非常に読み応えがあった。超巨大組織になったGoogleだが、創業当初からのGoogleカルチャーを守るための組織作りを知ることができる。
最近話題になった「心理的安全性」というGoogleの記事と、同じようなエピソードが本書にも書かれていた。
gendai.ismedia.jp
特に自分にとっては、マネジメントの観点がいくつか印象に残っている。
・スタッフの創造性を解き放つために、社員への権限委譲を積極的に行う。ステータスシンボルをなくす。
・意思決定は、組織の出来る限り下位のレベルでやるべき。収集がつかないときのみ、上のレベルで意思決定をする。
・地位に伴う指揮統制の衝動と闘う。その衝動は、管理することで役立っているという幻想と、スタッフの能力に対する信頼の欠如から来ている。
強烈なリーダーシップで周囲を指揮・命令するのではなく、いわゆる支援型のリーダー(サーヴァントリーダー*1であるべきという話だった。
以前のrebuild.fm*2で、「ビジョンを提示しないリーダーには結局人はついてこないので、サーヴァントリーダーは一概に良いとは言えない」という議論があったが、Googleに関して言えば、ビジョンが現場スタッフにも浸透しているからこそ、支援型のリーダーが活きてくるのではないかと思った。
(「権限委譲しているからこそ、現場スタッフにもビジョンが浸透する」という説もある気がする)
また、全体を通して、ABテストや統計知識を用いて人事施策を評価するエピソードが随所にあり、人事組織においても徹底的な分析を行う姿勢が印象的だった。
本書は人事トップの視点だったので、ぜひ現場スタッフの視点の話も聞いてみたいところ。